ZBrushとUE4をテーマに令和最初のC3D勉強会を開催しました

第41回 勉強会

2019年9月29日(日)、ZBrushとUE4をテーマに令和最初のC3D勉強会を開催。

ZBrushの達人として有名な、のぶほっぷ福井さんと、UE4を使ってVRなどのお仕事をしているSPIN D&Dmozさんにお話いただきました。

今回も中部圏を中心に東京、静岡、大阪、佐賀など遠方から多くの方が参加。登壇されたお二人の話がおもしろすぎて大いに盛り上がりました。

午前中はC3D名物の全員自己紹介

初めて参加する人が1人でもいる場合は、全員が自己紹介するのがC3Dのルールです。そんなわけで今回も全員が自己紹介。

C3DはCGソフトや職種、業界などは限定しておらず、CGに興味がある人なら誰でも参加可能となっているため、様々な業界の参加者が集います。

10代の学生から50代のベテランまで、参加者の年代は幅広かったのですが、興味の対象が同じということもあり、そんな年齢差を感じさせない楽しい交流となりました。

11時半頃に自己紹介が終わったので、12時までは雑談タイム。何もしなくても参加者同士の自由な交流が始まるのはいつものことです(笑)

最新VR機器はオンラインで複数人が仮想空間を共有できる

昼食を終えて勉強会の会場に戻ってくると、目隠しで不思議な踊りをしている怪しい人達…ではなく、2台のOculusを使い、福井さんとモジョンさんが仮想空間を共有して、VRモデリングをしている最中でした。

ネットに接続して、遠く離れた場所にいる複数人で一緒にVRモデリングすることもできるそうです。未来感はんぱねぇ…

ちなみにモジョンさんが装着しているのはケーブルレスのOculus Quest、福井さんのはPCに接続するタイプのOculus Rift Sです。

ケーブルレスはゲームなどをするときによいのですが、記憶容量によって価格が違い上限もあります。一方、PC接続タイプはつながれてしまうもののVR機器側には容量制限はありません。

開発を行ったり、人前でデモをするという場合は、PC接続タイプがよいわけですね。

Oculus Questは、友達から2週間ぐらい借りて試してみました。VR機器は数年前から体験していますが、上位機種は性能がかなり向上しています。

しばらくゲームで遊んでからVR機器を外し、目の前の景色が現実に戻ると「異空間から帰ってきた」と感じるほどです。

価格はOculus公式サイトでOculus Quest(64GBモデル)とOculus Rift Sが、いずれも5万円ぐらいと少々お高めなので、興味のある人はどこかで試してから、どれぐらい使いそうかを考えて購入を検討しましょう。

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mozさんからはVtuber用の背景をUE4で作ったお話

午後はmozさんのUE4のお話から。mozさん自身は、CGやUE4の経験年数は浅く、独学ということですが、現在はその知識を生かしたお仕事をしています。

最新事例として、本間ひまわりというVtuber(バーチャル・ユーチューバー)の部屋を作ったお話をしてくれました。

Vtuberは2017年ぐらいから急速に広まってきたものですし、UE4がゲーム以外の用途で使われるようになったのも比較的最近という印象があります。

なのでVtuberの部屋を作るといっても確立されたワークフローがあったわけではなく、クライアントの要望を聞きながら手探りで実装していったとのこと。

他にもUE4のリアルタイム+フォトリアルな表現を生かした提案事例などを紹介してもらいましたが、表現力や自由度が高いため、アイデア次第で様々なことができるだろうなと実感しました。

過去に紹介したUdemyには、初心者向けのUE4の講座があります。通常は2万円以上しますが、なにかのキャンペーンのときであれば1,000円台で購入できることもあるので、興味のある人は要チェックです。

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「10年ぶりぐらいの変革期」VRやiPadアプリなどを使った福井さんのCG制作手法

mozさんに続いて、福井さんのお話。福井さんはiPadやOculus(VR機器)、そして様々なCGソフトやゲームエンジンなどを軽やかに連携させて制作を行っています。

VRやiPadで大まかな形を作り(ラフスケッチ)、ZBrushから直接UE4、またはMODOやMarmoset、Substance Painterを経由して形や質感を整えてからUE4というワークフローで制作されているそうです。

ラフスケッチにVRやiPadを使う利点として、次のようなことが挙げられていました。

  • イメージ起こしに集中できる
  • かなりのスピードで作れる(VRやiPadは複雑な操作が不要)
  • あまり場所をとらない

このようなCG制作手法は従来はなかったもので「10年ぶりぐらいの変革期」と感じているとのこと。それを強く実感させられるような様々なデモを見せていただきました。

iPadとApple Pencilを使って直感的にモデリングできるShapr3D

iPad Proを使ったShapr3Dのデモでは、マウスもキーボードも使わない、非常に直感的なモデリングを披露していただきました。

Shapr: 3D モデリング CAD

Shapr: 3D モデリング CAD

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Shapr3DはiPadに最適化されたモデリングソフトですが、CGソフトというより、CADソフトのアプリ版。衝撃的だったのが、ほとんどの操作をApple Pencilやタッチ操作で行っていたところ。

百聞は一見にしかずなので、公式のデモ動画をご覧ください。

CG、CADソフトはパソコンが必須。最近では軽めの作業ならノートパソコンでもできますが、物理キーボードやマウスのいらないタブレットの手軽さにはかないません。この差は非常に大きいです。

CGソフトで何かを作るときはノートパソコンでも机がないと操作は難しいので、自ずと場所に制約ができます。しかしタブレットなら、そのような制限はありません。

机の前に座り、パソコンの電源を入れ、ソフトを選んで起動するのを待つということをせず、タブレットを手にしてアプリをタップしたら、すぐに作業が始められます。

iPadですべてを終わらせる必要はないので、大まかなモデリングだけをやっておいて、細かなところからはパソコン作業にすればよいというお話もされていましたが、まさしくそのとおりですね。

VRモデリング、ZBrush、UE4などを連携させる直感的かつ素早い制作の流れ

Oculus Rift Sを使ったVRモデリングデモでは、Gravity Sketchというソフトを使われていました。公式デモはこちら。

VRモデリングというと粘土みたいなモコモコした塊を追加したり、削ったりしながら有機的なものを作るイメージがありましたが、Gravity Sketchはスプライン(線)に面を貼る手法で、ちょっと印象が変わりました。

Gravity Sketch以外にもVRモデリングできるソフトは色々とあり、Oculus Mediumは粘土っぽい感じです。

SculptrVRも粘土感覚ですが、スカルプトしたときに出る削りかすを再現するという謎のこだわり(笑)

従来のCGソフトはパースビューや正面、上面、左右などと視点を変えながらモデリングしますが、VRでは空間の中に自身が入っているため視点の切替がなく、速いとのこと。

正確な形を作るというより、コンセプト的な絵を作るものかなという感じがしましたが、実際にそのような使い方を想定しているようです。

3Dプリンタが普及価格帯になり、素早く製品の試作を形にする「ラピッドプロトタイピング」が低コストで可能になりましたが、iPadやVRの高性能化によって、CGでもそんなことが実現できるようになったんだな〜と感じました。

iPad、VRで作った形をZBrushやMODO、Marmoset、Substance Painterで仕上げてUE4へ

iPadやVRでラフモデリングを行ったあとは、ZBrushへ。VRよりもZBrushで作業した方がよいという分岐点があり、そのあたりはノウハウがあるとのこと。

ZBrushから書き出したものをUE4に持ち込むこともできるそうですが、MODOやMarmosetなどのCGソフトで形を整え、Substance Painterで質感の設定をすると、よりよい感じになるようです。

ZBrushから主要なCGソフトへは、GoZという機能を使って書き出し可能。またMODOはSubstanceとは数年前から連携していて、プラグインを使ってMODO内にSubstanceファイルを読み込めます。

ZBrush x MODO x Substanceは、連携がしやすそう。Marmosetは使ったことがありませんが、こちらも使いやすい(連携させやすい)とのことでした。

UE4に書き出したときのマテリアルのノードは、CGソフトによって異なるとのことでしたが、MODOから書き出すと比較的、きれいなノードになるようです。

MODOはバージョン11.1からは、UE4へのデータ転送を可能にするUnrealブリッジツールが実装され、簡単にデータが渡せるようになっています。

ZBrush、Substance、UE4はCGソフトとの連携が強化されているので、VRやiPadでモデリングしたあとの橋渡しはスムーズにできそうです。

私はこれらのソフトを使っていませんが、いずれもいまどきのCG制作では標準となっているものなので、もう少し勉強してみようと思いました。

ソフトウェアはより多くの機能を使えるようにならないとと思いがちですが、それぞれが得意なところをうまく使えれば、それだけでも十分に価値があるということを教えてもらえた気がします。

まあ複数のソフトを使うためには経済力も必要になりますけどね…

勉強会の後はいつもの芋蔵で懇親会

今回は勉強会の参加者が30人を超え、懇親会の参加希望者も23人と出席率が高かったものの、いつも使っている芋蔵というお店を予約でき、CG話に花を咲かせたのでした。

福井さん、mozさん、参加してくれた皆様に御礼申し上げます。ありがとうございました!