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2017 年 4 月 29 日(土)、「レンダラー」をテーマに第 34 回にして本年最初の勉強会を開催。
いつも以上にネタの準備ができていなかったという反省はありますが、新しい参加者も迎えて楽しい勉強会となりました。
フィジカルに GPU 対応、有名なものから無名のものまで多すぎて迷うレンダラー
かつてはフォトリアルなレンダリングを行うことが 1 つの目標にもなっていた感がある CG ソフトのレンダラーですが、いまや CG ソフトに標準搭載されるレンダラーでも表現力は格段に向上しています。
昨今のレンダラーは、パソコンスペックの向上によってマルチコア対応は標準、GPU 対応するものも増えており、フィジカルレンダラーが現実的な選択肢になってきました。
フィジカル系、Unity や Unreal のようなリアルタイム系、建築系など、種類も特徴も様々で、もはや全ては追いきれません。いまが過渡期だと思うので、幾つかは消えていくのではないでしょうか。
私がわかる範囲でレンダラーを拾ってみましたが、思いのほか多いですね。
- Arnold
- V-Ray
- Guerilla Render
- Maxwell Render
- Octane Render
- KeyShot
- THEA Render
- FluidRay
- Artlantis
- indigo renderer
- FurryBall
- Radeon ProRender
- MentalRay
- Unreal Engine
- Unity
- Redshift
- Renderman
- Hyperion
ちなみに映画ローグワンに登場する K2-SO は、すべて Unreal Engine によってリアルタイムレンダリングされているそうです。すごいな…
Star Wars: Rogue One’s best character was rendered in real time, a cinema first
Unreal Engine はポスプロの現場で使おうと思うと、カスタマイズができないと厳しい(=プログラマーが必要)とのこと。
注目を集めていたのは、やはり Maya にも標準搭載された Arnold ですが、ネットワークレンダーを行うときには別途レンダーノードが必要で、そちらが月額数万円するので、ノードを買う分の費用でハイスペックマシンを組んだ方がよいかもという話もありました。
他には市販されていませんが、ディズニーが開発してベイマックスでも使われたという Hyperion というレンダラーについて初めて知りました。
通常のパスレイトレーシングでは複雑なシーンで膨大な時間が必要になってしまうため、それを効率化しているそうです。
Redshift もよく聞きますが、他の GPU レンダラーと何が違うのかということについて、日比さんがブログに書いていらっしゃいました。
大半の GPU レンダラーがアンバイアス(ざっくりいえば、ごまかしがないもの)なのに対して、Redshift はバイアスなため、レンダリングが速いことが売りのようです。なるほど。
レンダラー以外の話では Beeple に刺激を受けました
レンダラー以外の話としては、The Foundry が発表した Elara が話題に。
ポスプロの環境をクラウドで提供してしまおうというものですが、3 年前から ILM の協力を得て開発を行ってきたそうで本気度の高さが伺えます。
クラウド利用となったときに考えてしまうのが、素材データの転送と、リモートデスクトップのレスポンス。
前者はディスクを物理的に送って、データセンターでコピーしてしまえば解決できそうな気がします。
CG ソフトをネット経由で動かすときにはどうしても反応が遅れてしまうという問題が発生すると思いますが、このあたりはどうなんでしょうかね。
他には現実のライティングについて勉強する方法について話をしていたときに「玉ちゃんのライティング話」がよいという話になりました。
ウェブでも公開されていますが、書籍も出ているので購入してもよさそう。参加者の一人はその場で購入してました(笑)
レンダラーとは関係ありませんが、個人的にもっとも刺さったのが、Beeple というクリエイターの話。
スキルアップのために毎日何か作品を作るということを、なんと 10 年間、1 日も欠かさずに行っているそうです。自分など努力が足りなすぎると痛感。毎日何か作ります。
ということで、今回も得るものが多かった勉強会なのでした。次回は 6 〜 7 月あたりに勉強会を開催したいと思います〜