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IzukaEffectsの飯塚さまから、Cinema 4D版 Redshiftの有料講座「Redshiftクルーズ」をご提供いただき、レビューしました。
Redshiftクルーズ -ゼロから始めるCinema4DのRedshiftオンライン講座|IzukaEffectsCourse
これまで何本かの有料講座やYouTube でRedshiftを学んできましたが、今回ご紹介する「Redshiftクルーズ」はどの講座よりもわかりやすく、短期間でRedshiftを学びたい人には最適な内容になっています。公式マニュアルのような網羅性があるため、ある程度Redshiftを学んだ人でも知識の穴埋めに役立てることができ、手元にあると便利です。
Table of Contents
Cinema 4DでRedshiftを使うメリット、お勧めする理由
Cinema 4D版のRedshiftには、次のようなメリットがあります。
- GPUパワーを生かした高速プレビューとレンダリング
- 簡単な設定でフォトリアルな結果が得られる
- きちんと学べば比較的簡単に覚えられる
- Cinema 4Dとの相性がよい
- Macでも快適に利用できる
GPUパワーを生かした高速プレビューとレンダリング
Redshiftは、世界初のGPUレンダラー。現在では珍しくなくなったGPUレンダラーですが、やはりGPUパワーを生かしてプレビューやレンダリングできるのは大きなメリットです。よりパワフルなグラフィックボードを利用することで、レンダリングが高速化します。フルCG映像をガシガシ作ったりしたい人にとって、RedshiftのようなGPUレンダラーは不可欠といっても過言ではありません。
簡単な設定でフォトリアルな結果が得られる
Redshiftはアップデートが速く、この2年ほどの間に大きく進化しました。以前は初期設定が難しいと言われていましたが、最新バージョンでは特に設定を行わなくても、簡単にフォトリアルな結果が得られるようになっています。もちろん、設定について詳しく学ぶことによって、細かなコントロールも可能です。
きちんと学べば比較的簡単に覚えられる
実際に使い込んでみてわかったことですが、Redshiftは他のレンダラーと比べて設定の癖のようなものは比較的少ないです。初学者でも短期間で習得しやすいと思います。
Cinema 4Dとの相性がよい
RedshiftはMaxonに買収されてからはCinema 4Dへの統合が進んでおり、ついにサブスク版のCinema 4D利用者は無料でRedshiftが利用できるようになりました。
サブスク版Cinema 4Dに付帯するRedshiftはCPUしか使えないので、GPUを生かしたレンダリングを行いたい場合は、別途Redshiftの契約が必要です。現状ではCinema 4D付属のRedshiftは機能制限もありますが、これは徐々になくなっていくのではないかと思います。
Macでも快適に利用できる
Maxonは昔からMac対応が速く、Apple Silicon 版のMacが登場したときもCinema 4DやRedshiftは迅速に対応しました。私はM1 MacBook AirでCinema 4DとRedshiftを使うことが多いのですが、Apple Siliconの恩恵もあって快適に利用できています。Apple信者の私にとってはこれが最大のメリットです(笑)
これまで購入したRedshiftの有料チュートリアル
Redshiftを本格的に学ぼうと思い立ち、過去に様々な有料講座やYouTubeを視聴してきました。購入したチュートリアルとして代表的なものが、Greyscale Gorillaの「Guide to Redshift」とColosoの「マスタークラス : Cinema4D レンダリング」です。
今回ご紹介するRedshiftクルーズとの比較対象として、両チュートリアルについても簡単にお伝えします。
約19時間かけて基礎から実践まで学べるGreyscale Gorilla「Guide to Redshift」
Greyscale Gorilla の「Guide to Redshift」は、私が購入したときは買い切りの有料講座でしたが、その後、同社がすべてのサービスをサブスク化してしまいました。現在はサブスク契約をしないと視聴できません(サブスク化前に購入した人は現在も視聴可能)。
約19時間というハイボリュームで、基礎から実際のプロジェクトでの利用方法までを網羅しており、非常に充実した内容です。最大の難点は提供言語が英語音声のみという点。字幕はありません。配信プラットフォームはYouTube ではないので、自動の字幕表示などもできません。
操作方法などは英語が聞き取れなくても画面を見ればわかりますが、操作説明以外の話は英語の聞き取りができなければわかりません。日本人にとっては、かなりハードルが高いといえます。
Guide to Redshiftは、過去にレビュー記事を書いているので、詳しくはそちらをご覧ください。
Cinema 4D版 Redshiftトレーニング、Guide to Redshiftレビュートップアーティストによる絵作りが学べるColoso「マスタークラス : Cinema4D レンダリング」
Colosoの「マスタークラス : Cinema4D レンダリング」は、世界屈指のVFX工房の1つ、THE MILLでCinema 4Dアーティストとして活躍中のパク・テフンさんが講師の有料講座。Redshiftの基礎に加えて、学んだ知識を使ってどのように絵作りを行うかという点も学べる実践的な内容になっています。
こちらは約9時間とGuide to Redshiftの半分の時間ではありますが、内容は充実。講座名が「Cinema 4D レンダリング」であることからもわかるように、RedshiftだけではなくCinema 4Dの使い方にも触れられており、「絵作り」に主眼が置かれています。講師のパク・テフンさんのような絵が作りたいという人は必見。
韓国語音声ですが、日本語字幕付きできちんと学べます。買い切り講座なので、何度でも繰り返し視聴可能です。
日本語音声と網羅的でわかりやすい説明が初心者に優しい「Redshiftクルーズ」
さて、前置きが長くなりましたが、Redshiftクルーズについて詳しくお伝えしていきます。Redshiftクルーズは、IzukaEffectsの飯塚さんが手掛けるRedshiftの講座。15時間という長時間で、Redshiftの使い方に絞って説明している点が、Greyscale Gorilla やColosoの講座との違いです。
対象となる人、説明されない内容については、次のとおりに明確に示されています。
Redshiftクルーズのターゲット
- Redshiftを触ったことがない人
- Redshiftをうまく使いこなせていない人
- Redshiftをこれから勉強したい人
注意点
- プロフェッショナルな3D作品の作り方を学べる講座ではない
- モデリングやデザインなどの解説はない
Redshiftクルーズは、主に初心者がターゲットということで、噛み砕いた説明が非常にわかりやすく、公式マニュアルのような体系立てられた内容になっています。また次のような点が他のRedshift講座には見られない特徴です。
- 日本語音声
- 網羅性
- 原理的な部分からの説明
- サポートの手厚さ
日本語音声なので画面に集中できる
Redshiftクルーズは、日本語音声。チュートリアルは、できれば画面だけを注視したいものですが、音声が外国語の場合、字幕と画面と交互に見なければいけません。日本語音声なら、画面だけを見て学びに集中できます。
これからRedshiftを学ぶという人で、英語も母語と同じぐらいできるという人は少数派ではないでしょうか。多くの人は英語が負荷になります。Redshiftクルーズは日本語音声なので、ポッドキャストのように流し聞きし、気になったところで画面を見るという使い方もできます。ある程度Redshiftの知識のある人には、お勧めの使い方です。
実際に視聴してみて、日本語音声であることのメリットは想像以上に大きいと感じました。
公式マニュアルのような網羅性で中級者もリファレンスとして使える
Redshiftクルーズは、公式マニュアルのように充実した内容となっており、ライトやマテリアルは種類別に丁寧に説明。初心者向けにRedshiftのインストール方法や便利なショートカット、それらをデフォルト設定としてCinema 4Dに登録する方法まで教えてくれています。
Redshiftクルーズの内容は次のとおり。項目数が多いのでアコーディオンで畳みました。中身は開いて確認してください。
00_はじめに
- 本講座の概要
- 講座の進め方、視聴方法
- Macをお使いの方へ
- Redshiftクルーズ特典
- 更新情報
01_準備編
- インストール方法
- Redshift3.5~をお使いの方にやってほしい設定
- Redshiftの初期設定
- Redshift RenderView
02_Redshift Light
- Redshift Lightの共通パラメータ
- Point Light
- Area Light
- Dome Light
- Spot Light
- Portal Light
- Infinite Light
- IES Light
- Physical Sun – Redshift Sun & Sky Rig
- Redshift Environment
- Redshift Environment ~ 例題
03_Redshift Material
- マテリアルセクションの概要
- ノードと仲良くなろう!
- Material☆
- Material Blender☆
- Ramp☆
- Texture☆
- Noise / Maxon Noise☆
- Curvature☆
- AO
- AO ~ 詳細な解説
- WireFrame
- Bump Map☆
- Bump Blender☆
- Displacement☆
- Displacement Blender☆
- Round Corners
- C4D Shader
- User Data
- Shader Switch
- Fresnel
- Output
- Reference
- Remark
- TriPlanar☆
- AOV系
- Light系
- Math系
- Change Range☆
- Volume☆
- Volume ~ 例題
- Color Abs / Constant☆
- Color Composite / Mix / Sub / Layer☆
- Color Correct☆
- Color Splitter
- State
- Object Tag☆
- Object Tag ~ スプライン / エミッタ
- Caustic
- SubSurface Scattering☆
- SubSurface Scattering ~ 詳細な解説
- Multi SSS
- Sheen
- マテリアルセクションを終えて ~ 解説しなかったノードについて
04_レンダリング
- レンダリングの概要
- ノイズ除去
- AOV / マルチパス
- PostFX / Cameraタグ
- 最終レンダリング / AfterEffectsでコンポジット(一例)
- Motion Vector
05_Redshiftのお役立ち情報
- Redshiftが重い時の対処法
- X-プールを使ったノードプリセットのすすめ【2022年10月20日更新】
項目数は多いのですが、1本ずつの長さは短いので、隙間時間に少しずつ学習を進めることも可能。初心者は頭から一通り学ぶこともできますし、中級者以上の方も知識の穴埋めや忘れてしまった機能の使い方を調べるときのリファレンスとして使えます。
原理的な説明によって応用が効く
何かを学ぶときには原理原則を理解していると応用が効きますが、Redshiftクルーズではそれをよく踏まえています。例えば、スポットライトの説明では、光の筋が可視化されるのは空気中のチリや水分に光が乱反射するためという説明がありました。
もしも他のソフトでスポットライトを設定しても光の筋が見えなかったら、空気中のチリや水分を示すパラメータがあるはずという勘が働きます。仮にそのようなものが見つけられなかったとしても、細かなチリのオブジェクトを配置することで、光の筋の効果を得られるかもしれません。上辺のパラメータだけを学んでいたら、このような考え方はできないはずです。
メールで質問できるなど、サポートが手厚い
Redshiftクルーズは常にアップデートされており、最近では「X-プールを使ったノードプリセットのすすめ」という情報が追加されていました。講座に関する問い合わせをメールで行うことができるのも良心的。しかも日本語!(笑)
いや本当にRedshiftのチュートリアルはほぼ英語なので、翻訳ソフトを使わずに質問できるのはありがたいことです。またメールサポートありというのもかなり手厚い対応だと思います。サポートって大変ですからね。
Redshiftクルーズは、Redshiftの初学者から中級以上の方まで幅広くお勧めできる
私が最初に本腰を入れてRedshiftを学ぼうと思って見始めたのがGreyscale GorillaのGuide to Redshiftなんですが、英語の聞き取りは本当に大変で、忘れないようにスプレッドシートにキャプチャした画像を貼り付け、メモを取り、何度も聞き直したりしました。
いまからRedshiftを学ぶ人は、Redshiftクルーズがあって本当に羨ましいです。日本語なので、説明がスーッと頭に入ってきます。しかもメールサポート付きですよ。まあ説明がわかりやすいのでサポートが必要になることはないかもしれませんが。
Redshiftクルーズを視聴させていただき、自身のRedshiftの知識に穴があることがよくわかりました。やはり英語での学びだと理解が足りないところがあったのだと思います。わかっているようで、浅くしかわかっていなかったところがあるという感じ。こういう感じの人は結構いるんじゃないでしょうか。なので初学者だけでなく、中級以上の方でも知識にムラがあるかもと感じている方にはRedshiftクルーズをお勧めします。
Redshiftクルーズ -ゼロから始めるCinema4DのRedshiftオンライン講座|IzukaEffectsCourse