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iPad Pro 11インチモデル(256GB + WIFI)を購入しました。数年前に試したときは購入したいとまでは思わなかったiPad Proをなぜ今回は購入したのか、どのような点に期待しているかについてお伝えします。
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3年半前にiPad Proを買わなかった理由
いまから3年半前(2017年末)、友達からiPad Pro(初代)とApple Pencilを借りて2週間ほど試しました。iPad Proは10.5インチで、私が持っていた7.9インチの初代iPad miniと比べて画面も大きく、高解像度で動作も快適。しかし購入には至らず。
iPad ProとApple Pencilの組み合わせは非常に強力で、iPad Proを買うならApple Pencilが無ければ意味がないという人もいるぐらい。ただApple Pencilの使い心地は確かによかったけど、iPad Proでは3DCGソフトが動かせないし、とりあえず買ってみるには高価。結局そのときはiPad Proを購入したいとまでは思えませんでした。
なぜiPad Pro 2011モデルを購入したのか
2021年4月、新しいiPad Proが発表されました。前年末に発売されたApple Silicon搭載Mac(M1 Mac)は、その性能の高さからいつもは辛口のメディアも絶賛。新しいiPad Proはそれと同じM1チップが採用されています。
M1 MacではiOSアプリが動くので、M1搭載のiPad ProでもMac用ソフトを動かすことは技術的には可能と思えますが、残念ながらそのようなことはできません。では3年半前と同じく3DCGソフトが使えないiPad Proを今回はなぜ欲しいと思ったのか。それには次のような理由があります。
- スカルプトアプリなどiPad Proで使いたいアプリが増えた
- iPad Proのハード、ソフトの進化や新たな機能
- MacやWindowsとの連携
- MacとiPhoneの間を埋められる利便性
Mac用の3DCGソフトは使えないものの、iPad Proで動かせるアプリの魅力は格段に増しました。代表格がスカルプト系アプリですが、手描きアニメーションアプリも直感的で楽しそう。ハードやソフトの進化によって快適さもましているはず。Windowsとも連携できるようになってきています。
これまではiPad ProにMac(パソコン)と同じものを強く求めていましたが、独自進化の結果、iPad Proそのものに対して強く興味を持つようになり、試してみたいと思うになりました。
スカルプトアプリなどiPad Proで使いたいアプリが増えた
iPad Proで使えるスカルプトアプリといえば、Nomad SculptとForgerが代表格(iPhoneでも使えたりします)。登場したばかりの頃は機能も少なめで、ZBrushには遠く及ばない印象でした(実際に使ってはいなかったので、あくまでも印象)。現在もZBrushの方が高機能ですが、ツールは整理されていて使い勝手はよさそう。作例を見ても使い方によっては十分にZBrushの代わりになりそうです。
今年、若くしてお亡くなりになったMike NashさんはZBrushで数々の素晴らしい作品を残していますが、驚いたのは単純な機能を駆使して非常に複雑な造形を行っていたということ。チュートリアルを見たところ、ZBrush独自の機能も使ってはいますが、基本的にはシンプルなスカルプトで形を詰めていっていました。造形能力ありきなのは当然ですが、機能としてはiPad Proのスカルプトアプリでもかなり近いことができそうです。
– First real test renders for the Helmelted Designhttps://t.co/nRo3ODjBUUhttps://t.co/iqz0q4kCHYhttps://t.co/jmdhWM9H55https://t.co/aUJOtdXh2w pic.twitter.com/WxdHEzVdvf
— Mike Andrew Nash (@MikeAndrewNash1) May 5, 2020
田島さんの作品はProcreateでNomad Sculpt用のブラシを作って、制作されたとのこと。ブラシはZBrushCoreにも搭載されていない機能。いまはiPadだけでブラシ作成からスカルプトまでできてしまうんですね。
iPhoneアプリの@nomadsculpt でスカルプト&レンダリング。
— Kouji Tajima 田島光二 (@Kouji_Tajima) May 12, 2021
鱗はProcreateで描いたやつをスタンプブラシでペタペタしました。 pic.twitter.com/NRPJFQqVO2
XP-PEN提供の液晶タブレットをレビューした際、スカルプトの心地よさを体験していて、iPad ProとApple Pencilを使ったスカルプトが快適なのは間違いありません。
他にもCADアプリのShapr3DやuMake、手描きアニメーションアプリのLooomなど、高性能なiPad Proで試してみたいと思わせるクリエイティブ系アプリが増えてきました。iPad用アプリは、デスクトップ向けのものより機能はシンプルなものが多く複雑なことはできないかもしれませんが、ツールが少ないため直感的な操作で使いやすいものが多そう。
スカルプト系アプリはobjなど汎用的なファイル形式で書き出せるので大まかな部分はiPad Proで作っておいて、仕上げはパソコンということもできます。以前、C3Dに来ていただいた福井さんもそのような使い方をしているとお話されていました。
iPad Proのハード、ソフトの進化や新たな機能
2021年モデルの11インチ iPad Proは第3世代(※)ですが、私が体験した初代にはなかったLiDARスキャナーを搭載。Apple標準のClipsではLiDARを生かした楽しげな機能を実装しているし、フォトグラメトリー用のアプリもあるので試してみたいです。
※最新(2021年)の11インチ iPad Proは、このサイズになってからは第3世代ですが、初代の10.5インチ iPad Proから数えると4世代目です。
初代iPad Proに触れたのは3年半前だし、2週間程度という短期間だったので体感速度の違いなどは比べられませんが、最新モデルはM1搭載で間違いなく快適になっているはず。特にスカルプトや映像系アプリなどでは速度差が出そう。
3年半の間にOSも大きく変わりました。2019年にiPadOSが登場し、最新のiPad Proでは私が使った初代iPad Proにはなかった(と思う)ウィジェット、スマートスタック、ドックが使えます。ウィジェットはiPhoneにもありますが、画面サイズの大きなiPadは視認性がよいです。
実際に使ってみないとわからないところも多いのですが、機能紹介を見ていても使ってみたいと思わされるだけの魅力を感じました。
MacやWindowsとの連携
iPad ProはMacのSidecarという標準機能を使って無線接続によるサブモニター化が可能(Mac、iPadとも比較的新しい機種が必要)。液晶タブレットとしても使えます。液タブ専用機はパソコンありきの周辺機器であるのに対して、iPad Proはそれ自体がパソコン並みに高機能な端末なので、より幅広い用途で使えるのが大きな違い。
もちろん液タブとしての機能を重視するならiPad Proという選択肢は無いと思うので、あくまでも豊富な機能の一つして液タブ代わりにもなるという感じではありますが。
現段階ではベータですがastropadのProject BlueによってWindowsとも無線接続ができるようになっており、今後はWindowsでもiPad Proを液タブとして使えるようになりそうで期待度が高いです。
MacとiPhoneの間を埋められる利便性
Appleユーザーに限定した話ですが、Appleの機器は連携が非常によく、例えばiPhoneでコピーしたテキストを、Macでそのままペーストといったことも可能。iPhoneでツイッターに流れてきた情報をすぐに大画面で見たい場合など、とても有効です。
iPhoneは携帯性がよく、いつでもさっと取り出して使えますが、画面が小さく複雑な操作が苦手。Macはその逆でCGや映像編集ソフトは快適に使えますが、iPhoneのような身軽さはありません。iPad Proは、その間を埋める存在として大いに役立つのではないかという期待があります。
iPadが登場したばかりのときは、あくまでもビューワーで、それ以上のことは得意ではない印象でした(もちろん使い方によります)。実際、私が購入した初代iPad miniはすぐにKindleの読書端末化。快適に読書できたけど、もったいなさがありました。最新のiPad Proはハードとソフトの進化によって、iPhone以上の生産性、Macにはない手軽さが期待でき、新たなワークフローが生まれる可能性を感じます。
iPad Pro 11インチを選んだ理由
2021年モデルのiPad Proは、ミニLEDが採用された12.9インチモデルが注目の的。全面ミニLEDという点は、税込70万円超えのApple謹製モニター(純正スタンドありの場合)、Pro Display XDRと同じ。非常に高精細ということで、ぜひ一度見てみたいと思いますが12.9インチは選びませんでした。
iPad Proを机の上でしか使わないのなら12.9インチを選んだかもしれません。しかし持ち運んだり、手に持ってアプリを触ったりしたいと考え、より小さくて軽い11インチモデルを選びました。
2020年に登場したiPad Airは、プロセッサも高性能でほとんどの場合はAirでよいのではという評価も聞こえてきましたが、やはりiPad Proは最上位モデルなので当然ながらもっとも高性能。256GB + WIFIならiPad Airが税込9万円弱、iPad Proは税込11万円弱。わずか2万円程度の差です。
スカルプトやCADなどクリエイティブ系アプリを中心に試してみたいと思っているということもあり、選択肢はもっとも高性能なiPad Pro以外にはありませんでした。
iPad Proで様々なアプリを試していきます!
すでにiPad Pro 11インチが手元に届いて試し始めていますが、予想以上に魅了されています。お高い買い物だし、出費が重なったこともあり、正直なところ注文後にキャンセルしようか少し迷ったりもしました。でもいまはちょっと無理してでも買ってよかったと思っています。
とりあえず、Forger、Nomad Sculpt、Looomは購入しました。これから様々なアプリのレビュー、iPad Proの使用感や魅力などを伝えていく予定です。YouTubeでも配信していこうと思っているのでご期待ください!