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目的別に、最適な3DCGソフト(CGソフト)の選び方について紹介します。
Table of Contents
まずは仕事と趣味、どちらでCGソフトを使うのかを考えよう
菊千代
ワンコ先生
菊千代
仕事でCGソフトを使う場合、会社員なら会社がソフトウェアを持っているので、基本的には個人で購入する必要はありません。
そうすると、CGソフト選びで迷っているのは、主に次のような人達ではないでしょうか。
- 将来、CG業界で働きたい個人(社会人や学生)
- 仕事でCGソフトを使いたいフリーランス
- 趣味でCGソフトを使いたい個人
このような前提でCGソフトの選び方について考えていきます。主なCGソフトの種類については、次の記事を参考にしてください。
CGソフトには業界標準がありません。例えば同じアニメ業界でも、3DS MAX、MAYA、LightWave 3Dなど、様々なソフトが使われており、この業界ならこのソフトと言い切れるものはないというのが現状です。
学生や教員は、ほとんどのCGソフトが無料または低価格で利用できます。
仕事で使うCGソフトの選び方
ワンコ先生
菊千代
ワンコ先生
入りたい会社が決まっている場合のCGソフトの選び方
入りたい会社が決まっているのなら、ズバリその会社で使っているCGソフトを選びましょう。
モデリングはMODO、アニメーションはMAYAというように、一社で異なるCGソフトを使うこともあるため、モデラー、アニメーターなど自分がなりたい職種をより具体的に考えることが重要です。
入りたい会社が決まっていない場合のCGソフトの選び方
希望の会社が決まっていない場合、まずは数多くのCG制作会社が網羅的に紹介されている「CGプロダクション年鑑」などを参考に入りたい会社を考えましょう。
CGプロダクション年鑑には会社で使用されているソフトウェアの情報も掲載されているので、とても参考になります。入りたい会社や業界が見えてきたら、そこで使われることの多いソフトを確認し、CGソフト選びの参考にしましょう。
学生はほとんどのCGソフトが無料、または低価格で利用できるため、どうしても他のソフトを学びたければ、学校とは別のソフトを自宅用に入手し、学んでもよいでしょう。
フリーランスのCGソフトの選び方
CG業界未経験で、いきなりフリーランスとしてCGの仕事をする人はそれほど多くないのではないでしょうか。
多くの人はCG業界を経験してフリーランスになるので、ソフト選びに悩むことはないでしょう。
業界未経験でCGの仕事を始める場合、1人で静止画や動画などの納品物を完成させるなら、基本的にはどのソフトを使っても問題はないはずです。
しかし大きなプロジェクトの一部の仕事を担う場合は、CGソフトの独自形式でデータをやりとりすることもあるため、関わる業界でよく使われているソフトを選ぶ必要があるでしょう。
趣味で使うCGソフトの選び方
菊千代
ワンコ先生
趣味のCGソフトを選ぶときは学習コストも重要
菊千代
ワンコ先生
「学習コスト」とは、CGソフトの操作を覚えるために必要な時間や有料の教材(書籍や動画チュートリアルなど)にかかる費用のことです。
もしも同じような機能を持つ、20万円と2万円のCGソフトがあるとしたら、目先の費用を考えれば、後者を選んだ方が負担は抑えられます。
しかし20万円のソフトは非常に操作方法が覚えやすく、書籍やチュートリアルなどの情報が多いのに対して、2万円のソフトは情報が少なく、覚えにくい独自のインターフェイスだったとしたら、習得に膨大な時間がかかったり、難しさから途中で挫折することもあるかもしれません。
CGソフトは多機能なので、思い通りに操作できるようになるためには時間がかかります。効率よく学ぶために、書籍やチュートリアルを使うことが一般的です。
CGソフトは無料でも、うまく使えるまでに膨大な時間がかかってしまうなら、情報が充実した有料ソフトを購入した方が結果的には安く、より早く目的を達成できるという考え方もあります。
モデリングならMODO、モーショングラフィックスならCinema 4Dなど、CGソフトによって特定の分野のチュートリアルが充実していることもあるため、ソフトウェアを選ぶときは、そのような学習のための情報量も重要です。
CGソフトは購入前に体験版や無料版を試してみよう
CGソフトはどれも同じように見えるかもしれませんが、使い勝手は大きく異なります。
まずは体験版や無料のCGソフトを試してみましょう。
趣味で使うなら、費用負担の少ない永久ライセンスのCGソフトがお勧め
AutodeskのMAYAや3DS MAXはサブスクリプションのみなので、ソフトをずっと使いたいなら、使用料を支払い続けなければいけません。
それ以外の主要なCGソフトは永久ライセンスが提供されているため、一度購入すれば、そのまま使い続けることができ、費用負担を軽減できます。
ただし主要な統合型CGソフトは、どれも毎年メジャーアップグレードされているので、常に最新版を使いたい場合は継続的な費用負担が必要です。
3Dプリントのデータ作成にお勧めのCGソフト

ワンコ先生
菊千代
ワンコ先生
3Dプリント用のデータは、基本的にどのCGソフトでも作成可能です。しかしソフトウェアによって得意分野は異なるため、作りたいものによってお勧めできるソフトは変わります。
- フィギュアや動物などを作るならZBrushやSculptrisのようなスカルプト系ソフトがお勧め
- 工業製品のようなものを作るならFusion 360のようなCAD系ソフトがお勧め
追記:2020年、SculptrisはZBrushCore Miniの登場とともに提供が終了しました。
アニメーション制作にお勧めのCGソフト

ワンコ先生
菊千代
ワンコ先生
手描きのような、いわゆるセルルックのアニメーション制作では、LightWave 3Dの人気が根強く、古くから採用している会社もあります。
MODOは、キャラクターアニメーションを強化するサードパーティーのプラグインCharacterBoxが対応しており、アニメーションには強いです(線を描画できるPencil+ 4 Lineも対応予定)。
モーショングラフィックスや実写合成は、Cinema 4Dの得意分野。Cinema 4Dには、MoGraphというモーショングラフィックス向けの機能があり、After Effectsとの連携にも優れています。
映像作品はCGソフトだけで完結することは少ないため、After Effectsのような合成ソフトとの相性は非常に重要です。
Cinema 4Dは最上位版のStudioは高額ですが、BroadcastならMoGraphも使えて10万円台と手頃な価格で提供されています。 ※Cinema 4Dは、2019年にすべてのバージョンが統合され、現在は最上位版にあたるもののみが提供されています。
- 手描き風、キャラクターアニメーションならLightWave 3D、MODOがお勧め
- モーショングラフィックスや実写合成ならCinema 4Dがお勧め
エフェクト制作にお勧めのCGソフト

ワンコ先生
菊千代
ワンコ先生
エフェクト制作といえば、Houdiniが代名詞のような存在になっています。Houdini Apprenticeという無料体験版があるので、こちらで腕を磨いてから、有料版の導入を検討してもよいでしょう。
Blenderも無料ソフトとは思えないような高度なエフェクト制作が可能です。
- エフェクト制作ならHoudini ApprenticeとBlenderがお勧め
目的は明確であるほどCGソフトを選びやすい
ワンコ先生
菊千代
CGソフトは多機能で、なんでもできるからこそ、なにをやりたいのかを明確にすることが重要です。
それが決められれば、使うべきソフトは自然にわかってくるでしょう。
今回はCGソフトの選び方について考えてみましたが、「これをやるなら、このソフトでなくてはいけない」という決まりごとはありません。
今回の記事を参考に、自分自身がもっとも使いたいソフトを選んでください。