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2018年最初のC3D勉強会は、西は大阪、東は東京という遠方からの参加者を迎えて「初めての3DCG」をテーマに開催。
初参加の方も多かったのですが、すぐに意気投合して、大盛況となりました!
Table of Contents
事前アンケートではC4Dの勢いを感じられる結果に
今回の勉強会は参加者の疑問・質問にできるだけ効率よく答えられるように、参加する皆さんにはモジョンさんが用意してくれた事前アンケートにご回答いただきました。
興味津々なアンケート結果を見ていきましょう!
メインで使用している3Dソフト
初めての3DCGがテーマの勉強会でしたが、CGソフト未経験者はいませんでした。
逆にお仕事でCGソフトを使っている人が多く、MAYA、3DS MAXなどが多いという結果に。
もっとも多かったのはCinema 4Dで、勢いを感じます。C4Dは仕事・趣味で使っている人や、学生の利用もあり、ユーザー層が幅広いですね。
- Cinema 4D(9人)
- MAYA(7人)
- MODO(4人)
- 3DS MAX(2人)
- Blender(1人)
- ZBrush(1人)
- SketchUp(1人)
- Sculptris(1人)
- いろいろ(1人)
- LightWave 3D(0人)
- 使用歴なし(0人)
追記:2020年、SculptrisはZBrushCore Miniの登場とともに提供が終了しました。
メインで使用している2Dソフト
2DソフトはPhotoshopが圧倒的に多く、ついでAfter Effects、Illustratorという結果。
もはやこの分野はAdobeなしでは考えられません。
MediBangPaint Proは初耳でしたが、こちらはイラストや漫画制作ソフトで、Clip Studioの競合のようです。無料というのが信じられませんね。
- Photoshop(18人)
- After Effects(10人)
- Illustrator(9人)
- Premiere(4人)
- MediBangPaint(1人)
- Clip Studio(1人)
- GIMP(1人)
- 使用歴なし(0人)
勉強会のお題にして欲しい内容
勉強会のお題として欲しい内容としては、モデリング・マテリアル・レンダリングが多く、静止画制作に興味のある方が多そうな結果でした。
- モデリング・UV(12人)
- マテリアル・レンダリング(12人)
- コンポジット(8人)
- アニメーション(6人)
- リギング・セットアップ(5人)
- マテリアル・レンダリング(1人)
- ソフトやハードの購入相談(1人)
- お仕事の金額相場(1人)
- Cinema 4D初心者向けの参考書籍・サイトなど(1人)
最初はC3D恒例の全員自己紹介
全員参加が基本のC3D勉強会では、一人でも初参加の人がいたら、全員が自己紹介します。
しかし大人数になると、自己紹介だけで午前中が終わったりするので、今回は名前(ハンドルネーム可)、どこから来たか、職業、CGソフトの用途などを、素早く回答してもらうことに。
名古屋開催なので、中部圏の参加者が多いのは予想通りですが、東京から2人、千葉から1人、静岡から2人、大阪から2人と、約1/3が大変遠方から参加してくれました。遠くから参加してもらえて嬉しい!
映像、グラフィックデザイン、イラスト、建築パース、プロダクトデザインなど分野には幅広さがありました。異業種でCG業界での就業を目指す人の他、学生が5人というのも印象的。
昨年から学生の参加も増えていますが、皆さん、物怖じせず、礼儀正しく、技術力もあって素晴らしいですね。好印象しかありません。
メインで使っているCGソフトについて改めて聞いたところ、Substance、Unrealなどアンケートでは出ていなかったソフト名を挙げる人も。
アンケートで寄せられた質問に全員で回答
自己紹介が終わったら、アンケートで寄せられた質問に皆で回答。詳しい人も多かったので、中々充実した内容になったんじゃないかと思います。
スキンウェイトつけるのが苦手
キャラクターセットアップのお話ですが、最終出力が映像とゲームでは設定が違うのだそうです。
専門用語などもあり、言葉だけで伝えるのが難しいというお話も。なるほど、こういうのは動画チュートリアルとかがよいかもしれませんね。
- ムービーとゲームでは設定が違う
- ゲームはUnreal、Unityなどのエンジンよりの設定
- Mayaは設定が面倒で、人によって方法が違う
- 海外に10万円ぐらいのサービスがあるが、サービスに合わせた設定が必要
- Mayaはオートリグのプラグインあり
ライティングが下手
V-Ray、Octane Render、Redshiftなどフォトリアルに強いレンダラーも多くありますが、これらはリアルタイムプレビューを使えばライティングも設定しやすいとのこと。
過去の勉強会でOctane Renderのデモがありましたが、簡単な設定でいきなりフォトリアルになっていて驚いたことが思い出されます。
メインライトをしっかりと決めることが重要という照明のプロのお話が印象的でした。
プロがアマチュア向けに商品撮影の方法を教える「あかるい物撮り」という本は、照明の基本を学ぶうえでおすすめの書籍です。
- フォトリアルに強いレンダラーはプレビューを使ってライティングしやすい
- まずメインのライティングを決める(照明のプロのお話)
- どこを見せたいか、絵(画)の目的を考える
V-Rayで、これなら間違いないというライティング設定はあるのか
白飛びしてしまうのでV-Rayのサポートに質問したところ、Photoshopなどでの後処理を勧められたとのこと。
リニアワークフローや書き出し設定によって問題が緩和されるかもという助言がありました。
過去に開催したカラーマネージメント勉強会の記事も参考にしていただければと。
パーチ長尾さんを講師に迎え、カラーマネジメントセミナーを開催しました
- GIを上げたらきれいになる
- 現実の世界の設定合わせる(リニアワークフロー)
- レンダリング設定を8ビットだと情報量が少ない(Open EXRとかおすすめ)
CADと3Dソフトとの連携
2D CADの図面を3Dソフトで立体化する機能はあるのかという質問。SketchUpにはプラグインがあったそうです。
建築分野の経験者が回答してくれましたが、基本的には難しく、手間がかかる分をきちんと発注側からいただけるようにすべきという実践的なお話でした。
UV展開の基本ルールを知りたい
UVマップは正方形しかないのか、UV編集画面でポリゴンを重ねて同じパターンを表示してもよいのかという質問に対しては、いずれもそのとおりとの回答。
UVマップを複数作るかどうかについては目的次第で、ゲームは容量制限があるので基本は1つにまとめる(条件による)とのこと。
継ぎ目を完全に消すのは難しく、継ぎ目が出るところは他のオブジェクトを重ねて隠すなどというテクニックもあるそうです。
MARIなどで使われているUDIMは従来のUVとは仕組みが異なります。
- Substance PainterはUVの継ぎ目をきれいに処理してくれる
- 継ぎ目の上に別オブジェクトを重ねて隠す(手首の継ぎ目を時計で隠すとか)
- 海外のフォーラムでは研究している人もいる
- MARIは重く、高解像度テクスチャの利用前提
ノーマルマップとバンプマップの使い分けや制作のコツ、仕組みなどを知りたい
こういうのきちんと理解してなかったりしますよね…回答もちょっと自信がないものを含んでいます。ちゃんと勉強しなくてはですね。
- Unrealはバンプマップがなく、ノーマルマップのみ
- ノーマルマップは容量が軽いらしい
- バンプマップとノーマルマップは計算方法が違うかも
追記:ノーマルマップについてMODO公式でわかりやすい解説があったのでご紹介します。
より原理的な詳しい情報はUnityのオンラインマニュアルをご参照ください。
参考 法線マップ(Normal Map)(Bump mapping)Unityマニュアル
コンポジットの基本や、参考書などを知りたい
パスに分けて書き出した後、Photoshopなどでどうやって調整すればよいのかという質問。
PhotoshopでCamera Rawフィルターを使う、Google Photosでフィルタを適用して好みに近い画を確かめた上で、本番作業でその見た目に近づけるなど、皆さんがテクニックを披露。
品質を高めるためとはいえ、パスを分け過ぎても大変という意見も。
After Effectsのルック調整では、Magic Bullet Looks、Optical Flareなどを使っている方や、アンビエントオクルージョンやカバチャーマップを使ってみてはどうかというお話もありました。
私からはコンポジットについても書かれているライティング&テクスチャリングの名著を紹介。勉強会では伝えられなかったテクスチャリング&ペインティングの書籍も合わせてリンクを貼っておきます。
人の作品のどこをどう見て、どう自分に取り込んでいるか
どうやって自分の作品の質を高めていくかは、多くの人が考えますよね。好みの作風を真似て画作りをしてみるというのは、とてもよい方法ですね。
ネットではよかれと思って伝えた意見を否定的にとられてしまう恐れもあるので、オフラインで直接講評しあうというのもよいのではという意見もありました。ネットでは難しいこともあるんですね。
例えば東京では3DCG Meetupというイベントがあるので、そういう場で気の合う仲間を見つけてもよいかも。こじんまりした会をご希望の場合は、C3D勉強会にご参加ください(笑)
フリーランスで3DCGをやる場合、何から進めばいいのか
異業種からフリーランスで3DCGを始める場合、何から始めればよいのか、登竜門のコンテストがあったりするのかというご質問。
転職でもハードルが高いと思いますが、いきなりフリーランスというのは、中々ですね。
フリーランス4年目の私が、ついつい熱く語ってしまいましたよ(笑)
好きなことで生きていきたいという気持ちは尊重しますが、CGに限らず、フリーランスになるなら、それなりの覚悟を持つべきです。
安定収入を失って、路頭に迷うようなことになって欲しくないですからね。
説明動画のようなモーションを作るときの組み立て方
基本手順として、次のような流れがあるそうです。
- シナリオ(ストーリーボード)作成
- お客さんからテキスト支給(情報量が多い)
- 情報整理(言葉で伝えるべきかどうかの情報整理)
やはり仕事となると色々あるようで、動画慣れしていないお客さんは文字を入れたがるので、その調整が大変なんだとか。
文字で全部説明するのなら動画にする意味が薄れちゃいますよね。
何分で理解できるかを考えて、動画の長さを決めることが非常に重要とのこと。なるほどです。
ストーリーボードを作る際、写真コンテにするとお客さんのイメージが固まってしまう(コンテ通りに仕上がると思ってしまう)ので、手描きの方がよいとのこと。
Substance導入を検討中で、MayaのArnoldとの連携方法を知りたい
まだSubstanceへの理解が浅いようだったので、そこからの解説となりました。Substanceはマテリアルを作れるソフトで、マテリアルのパターンやプロシージャルテクスチャ制作に最適。先日の記事も参考にしてください。
Substanceで作ったマテリアルは、最終的にはレンダラー側で調整が必要ですが、レンダラーからSubstanceにはデータを戻せないとのことでした。
Cinema 4Dのおすすめ書籍、サイトなど
私なんですが、Greyscalegorillaの初心者向けチュートリアルや、「はじめてのCinema 4D」という書籍はこなしていて(復習が必要ですが)、他に有益な情報が欲しくて質問。
terryさんからは、CINEMA 4Dトレーニングサイトの紹介がありました。ありがとうございます。
そしてモジョンさんからは、個人的に色々とまとめているCinema 4D情報を提供してもらったので共有します。スペシャルサンクス!C3Dの品質はモジョンさんによって保たれています(笑)
Maxwell Renderや事例紹介のあとはフリータイム
午後からは、午前に続いて質問への回答が終わった後、希望者による宣伝タイム。
やしろさんからは、複数のクリエイターによるグループ展(東海3DCGクリエイターズ作品展)のお知らせ。開催期間は、2018年5月28日〜6月3日まで(5月30、31はお休み)です。
やしろさんや、いつもC3Dに参加してくれているクリエイターが多数参加します。必見ですよ〜!
mozさんは、壊されゆく歴史的価値のある建築物をCGで復元するというお仕事に取り組まれていて、2018年5月12日(土)〜 7月16日(月・祝)に神戸の竹中大工道具館で開催される「聴竹居-藤井厚二の木造モダニズム建築-」でCG作品が見られるそうです。お近くの方はぜひ!
チアゴさんからは、年内に発売開始予定のPC向けゲーム(プラットフォームはSteam)の紹介がありました。とても個人制作とは思えないクオリティです。
ウェブサイト(maremon)では、Unrealを使ったゲームの作り方も紹介されていますが、レベル高すぎて真似できません(笑)
続いて私からMaxwell Renderについて簡単にご紹介。Maxwell Renderは、その品質の高さからプロからも高評価されています。まだほとんど使いこなせていませんが…
物理的に正しい計算をするレンダラーで、カメラの設定は物理的なカメラ同様。Photoshop、After Effects、Nukeのプラグインを使うと、各ソフトでMaxwell Renderの独自形式のファイルを直接開けます。
その後は、モジョンさんからお仕事の事例紹介。オフレコなので詳しいことは書けませんが、そんなお話を聞けるのもオフラインコミュニティの醍醐味です。
残り2時間ぐらいはフリータイムにして、自由に情報交換。CGに興味がある人達の集まりなので、何も言わずとも会話が弾みますね。
勉強会終了後には懇親会を行いましたが、ほとんどの方が参加。今回の勉強会も大いに盛り上がり、楽しいものになりました。
遠方から参加していただいた皆様、どうもありがとうございました!また機会があれば、お気軽に参加してくださいね〜!