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WindowsデスクトップのPCケースを、Fractal DesignのPCケース「Define 7」に変更。専業メーカーが手掛けたPCケースを購入したのは初めてですが、圧倒的な品質の高さに驚きました。
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現状のパソコンは埃に対して無防備
2018年11月末頃にドスパラでWindowsデスクトップを購入。メモリやHDDの増設、グラフィックボードの交換などを行いながら2021年11月現在も使っています。
特に問題も無く使えていますが、気になるのがパソコン内部に溜まる埃(ほこり)。ドスパラのパソコン ガレリア(私が購入したときのモデル)は正面のフィルターは基本的に外せない構造になっており、また左右や天面の通風口にはフィルターがありませんでした。
フィルターは目詰まりすれば吸気が悪くなって冷却性能が落ちるし、CPUやGPUなど熱を持つ部品に降り積もる埃を放置しておくと故障や火災の原因にもなりかねません。そのため、不定期にパソコンを開けて掃除していました。
どのようなケースでも埃の侵入を完全には防げませんが、現状のケースはフィルターの無い天面や左右の通風口から埃が入り放題で、あまりにも無防備。これはどうにかしたいと考えていました。
HDDを余裕を持って増設したい
私はMacとWindowsでCGソフトを使っており、過去にファイル共有のためにQNAPのNASを導入しましたが、次のような理由で手放しました。
- Macで一部のファイルが見えない
- オーバースペック
Macからアクセスしたときに一部のファイルが見えない不具合があり、サポートは尽力してくれましたが問題は解決できませんでした。
QNAPのNASには独自OSがあり、クラウドストレージにバックアップ設定できたり、外出先からもアクセスできたりと非常に高機能。しかし私には不要な機能で、完全にオーバースペックでした。様々なソフトウェアの更新が頻繁にあったのも煩わしかったです。
QNAPを手放してからは、ファイルの一部をクラウドストレージで共有していましたが、最近になって簡単な設定でWindowsのフォルダをMacと共有できることに気付きました。
Windowsデスクトップは、4TBのHDDを2台搭載しています(一方はバックアップ用)。現状はかなり余裕がありますが、いずれ増設することになると思うので、より余裕を持ったケースがあるとよいと考えました。
Fractal DesignのDefine 7を選んだ理由
パソコンケースを選ぶときに考えたのは、次のような点。
- デザイン性
- フィルター性能
- 拡張性
フィルターと拡張性は必須ですが、使い続けるものなのでデザインにもこだわりたいと考えてネットを探し回った結果、Fractal DesignのDefine 7に辿り着きました。
Define 7は、Fractal Designが手掛けるPCケースのフラッグシップモデル。飾り気のないミニマルなデザイン、取り外し可能なフィルター、最大14台のHDDと2台のSSDを搭載可能な拡張性の高さなど、要件を満たしていました。選んだのは、サイドパネルに強化ガラスを採用していないモデル。
元々がショップパソコンなので魅せるようなパーツ選びをしておらず、またそのような趣味も無いことに加え、パソコン内外の温度差が原因と思われる強化ガラス破損の話をツイッターで見たこともあり、やはり自分にとっては不要という結論になりました。
アクセサリーは、ネジ、天面の交換パーツ、HDD取付用トレイ
Define 7 の付属品が収納された箱の上段には、マニュアルと天面の交換パーツが入っています。天面は標準では密閉型になっていますが、冷却ファンを取り付けたときに空気を取り入れられるよう、穴開きの天面パーツも予備で提供されていました。
その下には、ネジなどのアクセサリーが入った箱と、HDD増設時に利用するトレイが4つ入っています。Define 7 本体には、標準で2つのトレイが取り付けられているので、計6つが標準提供ということです。Fractal Designのウェブサイトでは、トレイが単体で商品として紹介されているので、7台以上のHDDを搭載したい場合は、そちらを購入することになるのだと思います。
ネジや結束バンドなどは、あらゆる構成に対応するためか、かなり多めに入っていました。
見出しとイラストだけで十分理解できるマニュアル
Define 7のマニュアルは、ひと目見てきちんとデザインされていることがわかりました。
マニュアルはイラストが多用されており、見出しとイラストを見るだけでどのようにパーツを組み込んでいけばよいか理解できるほどわかりやすいものになっています。
マニュアルが疎かになっていると製品そのものが優秀でも「使いにくい」「わかりにくい」と感じさせてしまいかねません。しっかりとデザインされたマニュアルを見て、製品への期待が大いに高まりました。
Define 7とドスパラ ガレリアのサイズ比較(外観)
Define 7、ドスパラともに「ミドルタワー」のPCケースですが、ミドルタワー自体に厳密な定義は無いようで、大きさには幅があります。Define 7(左)は、縦475mmx横240mmx奥行547mmで、ドスパラのPCケースがすっぽりと中に入りそうなサイズ感。
一般的なPCケースは、電源ボタンやケーブルなどの差込口が正面にありますが、Define 7は天面の前側に配置。足元に置いて使う場合は、こちらの方が見やすく、操作しやすいですね。
上から見てもよくわかるサイズの差。Define 7は標準では天面にファンが無く、フルフラットな大きなスペースがあるため、小物の置き場としても重宝しそう。
Define 7 は背面の通風口も独自性のあるデザインで、すっきりとしていてゴチャゴチャ感がありません。
Define 7とドスパラ ガレリアのサイズ比較(内部)
ドスパラ ガレリアのケースには、各種パーツがすし詰め状態で収まっており、電源から伸びているケーブルは結束バンドによって束ねられています。そうしないと別のパーツに干渉するなど不都合が出るのでしょうね。
Define 7 にパーツを載せ替えたところ、パーツを取り付け忘れたのではないかと思われるほど余裕が生まれました。
電源は左下、2台のHDDは右下に(それぞれ裏側から)設置していますが、カバーで隠れているため、すっきりした見た目になっています。キャッシュ用の2.5インチSSDはマザーボード裏側に取り付け。電源ケーブルは結束バンドが不要になりました。
右側の何もない空間は水冷用のパーツを取り付けたり、HDDを増設したりするためのもの。正面には巨大な冷却ファンが2基、背面にも同サイズのものが1基、標準搭載されていますが、これだけ余裕があると冷却効率もよさそうです。5インチDVDはほとんど使っていなかったので移設しませんでした。
右下の電源設置スペースと左下のHDD設置スペースは、画像のようにカバーで隠せるようになっており、中央部に見えるFractal Designのロゴ入りのベルクロによってケーブルを束ねられます。反対側にケーブルを通すための数カ所の穴は、ゴム製の部品が取り付けられていて、すっきり見えるよう徹底。デザインへの強いこだわりが感じられるところです。
内部パーツに刻まれているFractalのロゴ。メーカーロゴを表には出さす、内側に刻んでいるところも好み。最近の製品はメーカーの名前を全面に押し出さないことが増えているような気がします。
内部のレイアウトはパーツを組み替えることによって変更でき、サーバ用、水冷用など、用途に合わせて利用可能。もちろん、レイアウトの変え方はマニュアルに記載されています。
期待していなかったが静音性は感じる
Define 7は静音性の高さも売りということで、左右のサイドパネルと正面、天面の裏側には吸音材が貼られていました。ショップサイトなどのレビューでは静音性に期待しない方がよいとのコメントが散見されましたが、以前より少し静かになったように感じます。
静音性については、パーツ構成や期待値によって印象が大きく異なるのではないでしょうか。私の場合、ドスパラのPCケースは天面がファン付きで穴が開いていたり、側面に通風口があったりして、音が漏れやすくなっていたのに対して、Define 7は左右と天面に穴が無いため、その分は静かになったのだと考えています。
余談ですがドスパラのPCケースは電源ボタンを押したあとで、必ず「ガーガー」という音がなっていましたが、Define 7に載せ替えたらなぜか音がしなくなりました。
正面と底面に設置された、取り外し可能な巨大ダストフィルター
Define 7 正面の扉を開くと、はめ込み式のパネルがあり、外すと巨大なダストフィルターが設置されています。ちなみに扉の開閉方向は蝶番の位置を付け替えることで変更可能です。
底面のフィルターも引っ張るだけで出てきます。これらのフィルターによって、パソコン内への埃の侵入は大幅に減らせるのではないでしょうか。しばらく使ってみないと評価できませんが、期待大です。
細部まで考え抜かれたDefine 7の機能
ゴム部品をHDD取付用のトレイに取り付けたところ。機械的に動作するHDDは振動が苦手。ネジ穴部分にゴムを取り付けることで、それを緩和する役割が期待できます。
このようにトレイにゴムを取り付けてから、HDDはをネジ止め。
標準レイアウトでは、2台のHDDを正面の底部に取り付けられます。
HDDの取り付けなどにはネジを使いますが、サイドパネルははめ込み式で、背面上部の突起部分を引くことで簡単に取り外し可能です。
上部前面の中央に電源ボタンを配置。左側にはイヤホン、マイクの差込口、リセットボタン、USB-Cの差込口、右側にはUSB2.0と3.0の差込口がありますが、小さなアイコンや文字で機能が示されていてわかりやすいです。Type-Cはかなり嬉しいのですが、私のマザボは非対応なので残念ながら使えず(涙)現在は写真のようにオーディオ・インターフェイスを置いています。
Define 7はデザイン性、機能性とも高く、購入価値は高い
過去に何度かWindowsデスクトップを購入したことがありますが、いずれもショップであらかじめ組まれたものばかりで、PCケースは選べませんでした。今回は、今後2〜3年程度は現在の構成で利用するという前提で新しいPCケースを検討しましたが、大きな期待はしていなかったというのが正直なところです。
WindowsはMacとは異なり、すべてのパーツを別々のメーカーが作っているため、それらを組み合わせて使えるように共通の規格があります。そのような制約からPCケースを自由に設計するのは困難だろうと考えていましたが、実際にDefine 7を手にしてみると、レイアウトの自由度は高く、外観から内部に至るまでデザインへのこだわりも感じられました。
購入時の実売価格は2万円以上と決して安価ではありませんが、価値を実感できる製品です。数年後に内部のパーツを入れ替えることになったとしても、ケースはそのまま使い続けられるのでほぼ一生ものであり、そう考えると安い買い物といえるかもしれません。
私のようにPCケースだけを変更するということは少ないと思われ、実際に購入するのはデスクトップパソコンを新調するタイミングが多いのではないでしょうか。自作はちょっと自信がないという場合は、BTOパソコンのサイコム、SEVEN、ツクモなど、Define 7を選べるパソコンショップもあります(ちなみに今回はツクモで購入しました)。またCG・映像向けパソコンの選び方については、過去記事をご参考にしてください。
ということで、Fractal DesignのDefine 7は満足度の高い製品だったので、買って正解でした。今後も長く大事に使っていこうと思います。