C3D NEWS vol.24: AppleがWWDCでフォトグラメトリーを簡単にするAPIを発表

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こんにちは、いわいです。今週はWWDCが開幕し、基調講演ではCGに関係する話題も出てきました。他には若き日本人アーティスト達の圧巻の自主制作、ILMで活躍している田島さんの目標達成法などの話題でお送りします!

WWDCでXR関連機能が強化された次期macOS Monterey (モントレー)公開

Appleが毎年開催している開発者向けのイベント、WWDC(Worldwide Developers Conference)が今年も開催。CG関連の話題として大きかったのが次期macOS Monterey(モントレー)に搭載される新API「Object Capture」です。

Object Captureは、いわゆるフォトグラメトリーの機能を提供するもの。iPhoneで復数の角度から撮影した写真をCinema 4Dに取り込んで3Dオブジェクトを生成する様子がデモ映像として流れました。

XR(AR、VR、MRなどの仮想現実関連分野の総称)は医療、建築など、すでに様々な産業で利用されていて、今後もデバイスの発展とともに成長していくことは確実。AppleのようなITの先端企業が、最新OSにObject Captureのような機能を取り入れることからも、XRへの期待の大きさが伺えます。

すでにMaxonやUnityはObject Captureを使って3Dコンテンツを作成しているとのこと。Apple信者でCinema 4Dユーザーの私といたしましては、とても喜ばしいのですが、そこには(当然ながら)係争中のEPICの名前はありませんでした。CG・映像分野で話題がつきないUnreal Engineの開発元だけに、この点は残念。

ただすべてが巨大企業の意のままになってしまうというのは、それはそれで不健全なので、EPICのように巨人Appleに対して真っ向勝負できる存在は(主張の内容はさておき)貴重です。

若き日本人アーティストによる自主制作の「進撃の巨人」が完全に映画クオリティ

Masashi Imagawaさんなど若手日本人アーティスト達が自主制作した進撃の巨人のショートムービーが公開されました。迫力の映像で完全に映画クオリティ。忙しく仕事をする合間を縫ってこれだけのものを作り上げるのですからスピードもかなりのものではないでしょうか。素晴らしすぎる。

田島光二さんの目標達成のための取り組み方

ILMで活躍中の田島光二さんが、どうやってキャリアを築いていったのかをほぼ日刊イトイ新聞のインタビューでお話されています。2019年の記事ですが、いま見てもまったく色あせていません。以下、インタビューからの引用。

成長=(かけた時間+労力)×ロジック。

田島:

はい。それ、ぼくもほんとそうだと思っていて、どんだけ時間をかけて努力しても、やってることがロジックにマッチしてなかったら、いくら努力しても成長しないと思う。

改めて肝に銘じます…!

時間を捻じ曲げたようなスローモーション表現

こちらの映像、最初はただのスローモーションかと思ったんですが、時間を戻したりとか普通にスローで撮っただけではないことが途中からわかりました。メイキングも公開されていますが、やはりこういう映像を作るにはそれなりの仕掛けや機材が必要ですね。でも何よりアイデアがよいし、表現としてもお見事。こういうの作ってみたいな〜

時間を操っているような不思議な映像をスローモーションを利用して撮影した「Playing With Time」 – GIGAZINE

映画やゲームのアーティスト向けにトレーニングを提供するIAMAG MASTERS CLASSES

映画やゲームアーティスト向けのトレーニングを提供するIAMAG MASTERS CLASSESのことを知り、過去記事に追記しました。

こういう専門性の高いサービスは、やっぱり英語になっちゃいますよね。年間たったの70ドルで見放題はコスパ高い。別途有料ですが、トップアーティストから直接指導を受けられるのも貴重ですね。

あとがき

ワンコ先生

誰かがツイートしていましたが、3DCGはどんどんと「作る」から「ジェネレイト(生成)する」方向にいってますよね。Object Captureとかがくると、CGとはご縁のなかった人達もiPhoneがあれば、ちょっとしたコンテンツが簡単に作れてしまいそう。アイデアがより問われるようになってくることは間違いないように思います。