Blender 本 情報をまとめてみた(2025年6月)

Suzanne

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Blender が3日以上続いたことがありません。本気を出すためにAmazonでBlender本を買おうと思ったら多すぎたので情報を整理してみました。見落としもあるかもですが何卒ご容赦を。ご参考になれば幸いでございます。

本で学ぶことの優位性

CGソフトを学ぶなら動画の方がわかりやすいことも多いし、YouTubeなら無料。でも本には次のような優位性があります。

  • 情報の信頼性が高い
  • 概要把握と検索が速い
  • 体系化されているので知識のムラを補完できる
  • 狭い分野に特化した情報を得られる

YouTubeは情報量はあるけど、誰でも発信できるので信頼性やわかりやすさは玉石混交。一方、出版社が発行している書籍には信頼感があります。目次で学ぶ内容をすぐに把握できるし、知りたい情報にすぐ辿り着けます。情報が体系化されているので、まだらな知識の補完も可能。アドオンやマテリアルなど狭い分野に特化したものもあります。

動画と本は、それぞれの良さがあるので、うまく使い分けたいですね。

対象外としたBlender本

今回は、次のBlender本の情報は除外しました。

  • Blender 2.7 以前対応
  • 新品在庫がない
  • Kindle 版しかない

Blenderは2.8でUIの刷新などが行われ、使い勝手が向上して爆発的にユーザーが増えました。2.7以前は別物と考えて外しましたが、書籍自体も2.8以降のユーザー増加にともなって増えており、2.7以前のものは多くありませんでした。新品在庫がないものは大体古いものだったのでこちらも対象外に。

Kindle 版は個人出版が含まれていました。優良なものもあると思いますが、評価が難しいため今回は対象に含めていません。

Blender 2.8以降のリリース日(Gemini 調べ)

参考情報として、Blender2.8以降のリリース日(Gemini 調べ)をまとめました。書籍は基本的に発売時前後のBlenderバージョンに対応しています。差分を加えた改訂版が出る場合もありますが多くありません。評価は高くてもあまりに古いと最新版のBlenderとは内容が変わってきます。購入したい書籍がどのバージョンについて対応しているかわからないときは、Blenderの各バージョンのリリース日が参考になると思います。

Geminiで調べたところ、2024年3月までの情報しか出ませんでしたが、記事執筆時点(2025年6月)でバージョン4.4.3が最新となっています。

2024年Blender 4.1: 2024年3月26日
2023年Blender 4.0: 2023年11月14日
Blender 3.6 (LTS): 2023年6月27日
Blender 3.5: 2023年3月29日
2022年Blender 3.4: 2022年12月7日
Blender 3.3 (LTS): 2022年9月7日
Blender 3.2: 2022年6月8日
Blender 3.1: 2022年3月9日
2021年Blender 3.0: 2021年12月3日
Blender 2.93 (LTS): 2021年6月2日
Blender 2.92: 2021年2月25日
2020年Blender 2.91: 2020年11月25日
Blender 2.90: 2020年8月31日
Blender 2.83 (LTS): 2020年6月3日
Blender 2.82: 2020年2月14日
2019年Blender 2.81: 2019年11月21日
Blender 2.80: 2019年7月30日

今回Amazonで検索に引っかかったBlender本を発売年ごとにまとめてみましたが、Blenderの広がりに呼応するように日本語書籍も増えています。2025年は上半期だけで9冊も出ており、年内に10冊を超えそうな勢いです。

  • 2025年 9冊(発売予定のものを含む)
  • 2024年 9冊
  • 2023年 8冊
  • 2022年 7冊
  • 2021年 4冊
  • 2020年 4冊
  • 2019年 2冊

Blender 本のジャンルと価格帯

Blender本のジャンルとしては機能全般について解説する、初心者向けの入門書が圧倒的に多いです。売上を考えれば、裾野の広い初心者向けになりますよね。

次のような専門分野に特化したものもありました。ジオメトリーノードやグリースペンシルといった特定の機能を取り上げた書籍を出せるのは、圧倒的なユーザー数の多さあってのことだと思います。

  • モデリング、リギング
  • アニメーション
  • VFX
  • ジオメトリーノード
  • グリースペンシル
  • マテリアル
  • 映像制作
  • Python

価格帯は1,000円台後半から7,000円台後半のものまであり、平均すると3,900円ぐらい。もっとも高額な書籍は洋書を翻訳したもので7,700円でしたが、これはコストを考えると致し方なし。Blender のユーザー数が多いとはいえ、やはり3DCGは専門性の高い分野ですし平均価格は高めです。

気になったBlender本をピックアップ

Amazon検索で引っかかったBlender本は最後にまとめつつ、気になったものを何冊か取り上げて理由もお伝えします。本はまあまあ高いし、好みもあるので、実際に購入するときは書店で内容を確認することをお勧めします。

入門系

種類の多い入門系の中で気になったのが、複数のBlender本を書かれているM designさんの初心者向け書籍。2023年から毎年1冊、計3冊の著作があります。

Amazonのレビューは、2025年3月に出たばかりの最新刊は評価数が2桁ですが星4.9と満点に近く、また過去の2冊は評価数が100を超え、いずれも星4を超える高評価。

M designさんはYouTubeでも発信されているので、そちらとの相性も良さそう。「10日で」と短期間で区切りを示しているのも頑張れそうでよいです。簡単なものを作って覚えるという点は、どの本も共通していますし、YouTubeもそのような動画が多く一貫性が感じられます。

入門系は他にも良書が多そうですが、まず買ってみるならこちらかな。

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中級者向け・モデリング系

2025年7月12日発売予定で、本記事公開時点では未発売ですが「一歩先行く!Blenderモデリング 実践テクニック」が、入門書を終えたあとのステップとして良さそうに思えました。Tips集とのことで、必要なところだけつまんで活用することができそうです。

著者の へも.blend さんはXのプロフィールによると、フリーランスの3DCGデザイナーで専門学校の講師もされているほか、Colosoでは「Blenderで0から始める3DCG : モデリングからアニメーションまで」という講座を出されています。プロとしての知見、講師としてのご経験などがこちらの一冊に集約されているのではないでしょうか。

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キャラクター系

キャラクター系として、まずはCompass Creative Worksの3冊を選びました。同じ著者が、モデリング、トゥーンレンダリング、アニメーションという各テーマで1冊ずつ手掛けられています。こちらも2023年から毎年1冊刊行されていますね。

Compass Creative Worksは、これら3冊を含め、計8冊ものBlender本を刊行しており、力が入っていると思われるところも好感が持てます。表紙絵のようなキャラクターを作りたいなら、こちらの3冊を繰り返し学ぶことでかなりの能力が身につきそうです。

キャラクターには3Dっぽさが強めのもの、手描きタッチなどがありますが、後者に特化されたものとしては「Blender でつくる:亥と卯流 セルルックキャラクター」が良さそうです。先に紹介した3冊シリーズとの大きな違いは、モデリング、トゥーンレンダリング、アニメーションに関する情報が1冊にまとまっていること。

まずはこちらで一通り体験し、さらに興味があるなら3冊シリーズに行くのも良いかもしれません。

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VFX系

VFXに特化した書籍は3冊しかなかったので(最後にまとめてあります)、この分野に興味があるならすべて手にとってもよさげな気はしますが、大注目は2025年6月に発売されたばかりの「Hello VFX BlenderとDaVinci Resolveではじめる視覚効果」です。

著者はゴジラマイナスワンの大ヒットで世間一般の認知度も向上したと思われる白組の若手、三宅智之さん。VFX業界のベテラン達の高評価がXで流れています。サンプルページを拝見しましたが、初心者にもわかりやすくカメラトラッキングなどの説明が書かれており、本当に良さそうです。これ系は興味あるので買うかも。

https://twitter.com/38912_DIGITAL/status/1934079455867322820

その他

狭い分野に特化した書籍の中から、目を引いたものを幾つか取り上げてみました。まずは「職種と用途で探せる Blenderアドオン事典」。Blenderはアドオンが豊富なことも魅力の1つですが、初学者にとっては多すぎてよくわかりません。書籍として1冊にまとまっているのはとてもありがたいです。2025年3月31日発売と情報が新しいのもよい。

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次は「Blenderによる 映像制作実践入門 15秒CMを作り込んで学ぶプロの71のテクニック」というプロのクリエイターであるカサハラCGさんが手掛けた一冊。本にせよ、動画にせよ、機能を学んだり、小物を作ったりすることが多い中で、本書は「15秒CMを作る」ことに焦点を絞っているのが非常に珍しいです。きちんと作り切ることによる学びも多くあると思います。

プロの世界には、個人の独学だけでは知り得ない品質基準や現場のノウハウがあり、こちらの書籍ではその一端が垣間見えるのではないでしょうか。映像制作の参考書として、Blender以外のソフトを使っている方でも役立てられそうです。

最後に、こちらもBlender以外でも役立ちそうな本として「マンガでわかるキラとマリアの 背景が描きたい!3DソフトBlender編」を取り上げてみました。2020年に発売されていて、対応バージョンも2.8となっていますが「マンガの背景」という他にはない分野に特化していて、独自の活用法を学べそう。

マンガの背景へのCGの活用というと「ガンツ」が思い浮かびますが、きっと他の漫画家の方達も同じような手法を使っていることでしょう。書籍として情報がまとめられているのはありがたいですね。

調べたBlender本情報のまとめ

今回、Amazonの検索にヒットしたBlender本をジャンル別にまとめました。キーワードによって検索結果が変わるため、拾えていない書籍もあるかもしれません。ジャンルで分けたので難易度はバラバラですが、できるだけ新しい書籍を上の方に持ってくるようにしました。

入門 / 機能全般

入門系や機能全般について書かれたBlender本。ほとんどが初心者向けですが「プロフェッショナル Blender」は、中級者向けのようです。

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モデリング / キャラクター

モデリング、キャラクター関連本。モデリング系では、メカモデリングに特化した本が目を引きます。キャラクター系は、ほぼアニメ系でフォトリリアル系はありません。

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リギング

洋書の日本語版。リギングに特化したBlender本はこちらだけのようです。

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マテリアル

質感やマテリアルに特化した本はこちらだけ。基本操作を覚えたあとで使いたい感じです。

VFX

VFX系は次の3冊。「実写合成のためのBlender 3DCG制作ワークフロー」は持ってるだけになってるので、ちゃんと読みます。

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グリースペンシル

唯一のグリースペンシル本。貴重。

ジオメトリーノード

こちらも唯一のジオメトリーノード本。極めるとHoudiniっぽいことができそうだけど、どうなんでしょ。

アドオン

唯一のアドオン本。Blenderの基本がわかったら、手に取りたいです。

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Python

Python本は次の2冊。

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その他

Blenderを使ってCM映像を作ることを通して、プロのテクニックを学ぶ内容。

「コンポジターノード」「シェーダーノード」「ジオメトリーノード」といった「ノード」のテクニックについてまとめられています。そういうまとめ方ができるんですね。

2.x 系の書籍

ジャンル問わず、2.x系でAmazon調べでは新品在庫のあるものをまとめました。入門系やモデリング系はUI的には新しいものの方がよいかもしれません。マンガの背景制作に特化した書籍のノウハウは現在でも使えそうです。

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デジタルクリエイターならBlenderの基本は押さえておきたい

情報をまとめていて、改めてBlenderの裾野の広さを感じました。Cinema 4Dメインですが、Blenderならではの機能も多いし、いまどきは各ソフトの得意な部分を活かした制作というのが自然な気がするので少なくとも基本はちゃんと学んでおきたいです。

この記事を書いたことを機に3日坊主を脱出したい…